窓から見える

hideyasu2g2007-02-18


暖冬とはいえ、2月にしてすでに小春日和ですね。

事務所の窓から見える、お向かいの畑に梅の樹があるのですが、それが先週から満開なのです。

仕事に疲れたとき、ふと窓の外に目をやればもうお花見気分(?)

朝は花びらに陽光が照り返し、夕方は枝が落とす影が哀愁を誘う。梅の樹一本でも1日のうちにこんなに変化に富んだ表情を見せるものなんですね。
こうした季節を感じさせる要素があると、窓の外を眺めるのもグッと楽しくなります。

住宅を設計するときも、敷地の周辺との関係性は重要なファクターです。
周囲のエレメントととの関係。風の流れや、お隣の庭の緑、向かいの道路の桜の樹、2階の窓からは少し離れた林の緑etc…

建築ではこういった、土地それぞれの要素を、「ゲニウス・ロキ」などと呼ぶこともあります。ラテン語でgenius(精神・精霊)、locci(土地)で、建築の教科書だとよく「地霊」と日本訳されているこの言葉は、古代ローマから続く概念です。

建て替えであれ、まったくの新築であれ、その土地土地それぞれに積み重なった記憶があり、それを生かしてこそであるということですが、まぁ、そう小難しく考えずとも、周囲の要素を取り込んで、風の匂いや季節の移ろいを感じながら生活できれば…。

吉村順三氏の言葉をお借りして、一言「そのほうが気持ちいいでしょ?」