周のいえ

周のいえ[めぐるのいえ]
敷地南には中層のアパートが建ち、西の道路以外は全て建物が建てこんでいて眺望は望めない敷地。
ここでカーテンがなくても暮らせる、コンパクトな小住宅を望まれた。

単純に南に窓を取っても、アパートの自転車置き場を眺めることになってしまうため、窓の機能を採光と通風にわけ、人の目線の高さにある開口部は全て通風と人や物の出入りのみと割り切った。

採光はほぼ大屋根下に一周するハイサイド窓に一任。強い西日を避けるため、道路に面して大きな壁を立てた。

ぐるりと周るハイサイド窓と、螺旋階段。ここから、「周」という漢字が頭に思い浮かんだ。
「周」はまわるとか、くりかえすとかいった意味をもつそうで。
さらに古代中国の周朝の威光から、光をあまねくといった意味もある、なんだかやんごとなき漢字。

まだ構造的、法的、コスト的にクリアしないといけない部分は多いが、なんとか骨子は守りたい。

来春完成予定。

ツジデザイン一級建築士事務所