セバスチャーノ・サルガド
ドキュメンタリー映画セバスチャン・サルガド 地球へのラブレターを見てきました。
安定したエコノミストの職を捨て、写真の世界に踏み込んだサルガド。
一貫したテーマとして人間を撮してきた背景に、エコノミスト時代の知見があったことを知りませんでした。
20世紀初頭からのグローバリズムは人や物、情報の伝達速度が劇的にアップし、結果世界は少しづつ良くなってきてはいます。
しかしアフリカやアジア、南米の新興国はグローバリズムの恩恵を受けることなく、先進国から搾取され続けています。
サルガドの眼は常にそうした人々に愛を持って向けられていました。
ルワンダでの虐殺、エチオピアやユーゴ内戦の惨状にレンズを通して向き合ったサルガドは人に絶望し、祖国ブラジルへ帰国します。
そこで彼を再び写真へとかりたてのは、先進国に搾取され大地のキャパ以上に家畜を飼ったために荒れ果てたブラジルの農地への植林活動であったことは当然の帰結かもしれません。
写真に興味のある人だけでなく、いろいろな人に見てほしい良質のドキュメンタリー映画でした。