時間仕上げ

数年前に設計させていただいた大垣のカフェへ。
竣工時は建物だけであとは砂利敷き程度だったのが、お客様がご自分でコツコツ手を入れてくださって、とても良い雰囲気に変わっていました。

1.8m×1.8mの大型木製引戸も深い庇のおかげで健全。
レッドシダー羽目板の外壁もかなり退色が進んできてとてもなじんできています。
素材が、時間を経ることで得られるこうした時間仕上げは、お金で買うことができません。
汚れや退色、傷。
いつのまにか時代とともに、そうしたものは眉をひそめられる忌むべきものとなってしまいました。
しかし、本当にそうでしょうか。
僕にはこの、退色してシルバーグレイになりつつある外壁が、愛おしく感じられます。

ツジデザイン一級建築士事務所